【緊急】京福バスが福井市内の路線を中心に合計242本に及ぶ大減便!背景は運転士不足と2024年問題?
2024年5月17日に京福バスから6月1日にダイヤ改正を行うと発表がありました。京福バスは福井県北部に路線を持っているバス会社で筆者の私も福井にいたころは高校の通学でよく使っていました。

ダイヤ改正の内容は運転士の負担軽減による路線の廃止または減便が中心となっています。
路線の廃止
今回のダイヤ改正の前日である5月31日をもって23・24系統 福井総合クリニック線の運転が終了となります。
福井総合クリニックへはえちぜん鉄道三国芦原線(福井~新田塚)、20・21系統 幾久・新田塚線(福井駅~新田塚/新田塚町)、25系統エンゼルランド線/27系統大学病院新田塚線/28系統運転者教育センター線(福井駅~新田塚町)が代替となり
23系統の福井駅~明道中学校~新田塚は25系統エンゼルランド線/27系統大学病院新田塚線/28系統運転者教育センター線、24系統の福井駅~乾徳一丁目は10・15系統越前海岸ブルーライン/11系統大安寺線、福井大学前~二の宮5丁目は20・21系統幾久・新田塚線とえちぜん鉄道三国芦原線が代替となります。
減便
6月1日より以下の路線が減便となります
11系統 大安寺線(福井駅~大安寺門前~福井総合病院)
平日最終便の剣大谷行が運転を終了します、これに伴い平日の福井総合病院行は福井駅12:13発、福井駅行は福井総合病院13:20発が最終となります。
土曜ダイヤは変更がありません。
12系統/快速18系統 学園線(福井駅→福井高校→福井工業大学→福井駅/福井駅→福井高校)
昼の時間帯の本数が毎時1本に減ります、ですが平日は福井高校と福井工業大学の学生が登下校に使うため15時~19時は毎時2~3本確保されているようです。
土曜は9時からほぼすべての時間帯で毎時1本になり休日は8時に2本走るだけでそれ以外は全て毎時1本というダイヤになります。
福井高校直行の快速18系統は平日と土曜の朝のみの運転になります。
13系統 桜が丘団地線(福井駅→福井工業大学→恐神→桜が丘団地→恐神→福井工業大学→福井駅)
平日の朝1本が減便され最終便が繰り上がります。1日4本の運転となり最終便は福井駅18:00発となります。
土休日ダイヤは変更がありません。
26系統 福井総合病院線(福井駅~明道中学校~藤島高校~福井総合病院)
平日の昼の時間帯がごっそり減便され、この路線も1日4本の運転となり最終便は福井総合病院行が福井駅16:40発、福井駅行が福井総合病院17:35発になります。
また土曜ダイヤ自体が廃止されます、福井総合クリニックへはえちぜん鉄道三国芦原線(福井~新田塚)、20・21系統 幾久・新田塚線(福井駅~新田塚/新田塚町)、25系統エンゼルランド線/27系統大学病院新田塚線/28系統運転者教育センター線(福井駅~新田塚町)が代替となり、
御所垣内・福井医療大学・福井総合病院は10系統越前海岸ブルーラインと11系統大安寺線、福井駅~明道中学校~新田塚は25系統エンゼルランド線/27系統大学病院新田塚線/28系統運転者教育センター線が代替となります。
51・52系統 済生会問屋団地線(福井駅~パリオ~自動車学校~問屋団地~済生会病院~和田公民館~福井駅東口~福井駅)
昼の時間帯がごっそり減便され51系統は1日5本、52系統は1日4本となります。
57系統 心臓センター町屋線(福井駅~養浩館~松本小学校~大願寺~心臓センター)
平日・土曜・休日共通で昼の時間帯の本数が約半分になり毎時1本を基本としながら2~3時間間隔が空く時間帯もできます
60系統 羽水高校線(福井駅~羽水高校・産業会館)
平日のダイヤに変更はありませんが土休日の運転自体が廃止されます。
福井駅~羽水高校前はすまいるバス南ルートが代替となります。
70・71系統 運動公園線(福井駅~福井競輪場~道守高校~運動公園~種池~福井南警察署~ベル~福井商工会議所~福井駅)
昼の時間帯の本数が約半分に減便され平日は7時台に2本が走るだけでそれ以外は全て毎時1本、土休日は毎時1本のみの運転となります。
恐竜バス
6月から運転が休止されます。
恐竜博物館は「はぴバス定期観光Aコース」と「WOWRIDEいこっさ!福井号」が代替便となります
背景は運転士不足と2024年問題?
詳しい数は明らかになっていませんが減便前のダイヤを維持するのに必要な運転士は約190人、しかし4月末時点で152人しか運転士がおらずこれまでは貸切バスの運転手や指導する運行管理者を起用したり運転手を休日出勤させたりしてやりくりしていましたが今年度に入って運転士が10人以上退職し、さらに後述する2024年問題もあり減便に踏み切ったとのこと。
6月の減便後も運転士不足は続き10月には福井市外を走る路線も含めて6月以上の規模で減便を行う方向で調整を進めているところです。
2024年問題とは
2019年4月に労働基準法が改正され残業時間の上限ができました。しかし自動車の運転士や建設現場の人、医者、鹿児島県と沖縄県で砂糖を製造する人は5年間の猶予が適用され、その猶予期間が2024年3月31日で終了することから「2024年問題」と呼ばれています。
残業時間の上限は原則月45時間、年間360時間までで特別な事情がある場合は年間720時間、休日出勤含む複数月の平均80時間、休日出勤含む月100時間までに緩和されます。
36協定を結んでいる場合は年間960時間、休日出勤含む月100時間、複数月平均80時間以内までで年6ヶ月までなら月45時間を超えることができる規制の適用外となります。
自動車の運転士の場合同時に「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」が適用されたため影響が大きく「運転士の収入が減る→収入が減り続けると次々と退職者が出る→運転士が不足する→残業や休日出勤で何とかしたいけど法律に引っ掛かる→運転士の負担軽減のため減便→乗車チャンスが減り利用者減少→会社自体の収入が減り運行費削減のため減便→乗車チャンスが減り利用者減少(以下無限ループ)」という一度ハマれば抜け出すことが困難な負の無限ループが出来てしまいます。
大阪府南部に路線を持っていた金剛自動車も2024年問題をバス事業撤退の理由の一つにしてます。
都市部も例外ではない
実は現在、都市部のバス事業者でも運転士不足が深刻になり始めています。千葉県市川市などに路線を持っている京成バスも運転士不足と2024年問題を理由に減便することを決めました。実は都市部でもこの問題は例外ではないのです。
課題が残る福井県内の公共交通
この減便を受けて福井県知事の杉本達治氏は24日の会見で「大きな課題だ。給与の水準が低い上、都市部と地方の差も大きい。運転手が不足する中、路線を維持するために、利益が大きい観光バスを運行できず収益が上がりにくいという悪循環に陥っている」と指摘、28日に国や県、事業者などを交えた緊急の対策会議を開くことを予定しており「まずは運転手を集めないといけないので、個別の採用説明会の開催や第2種免許の取得支援など即効性のある対策を行って、少しでも持ちこたえ、地方路線の運転手不足という本質的な課題をどう解決するか国と相談していきたい」と述べています。

2024年3月16日に北陸新幹線が敦賀まで開業したことでお祭りムードとなっていますが、バスなど福井県内の公共交通はまだまだ課題が残っているのが現状です。